伝統的なコンボ・オルガンでは、音量調節のためのフット・ペダルは
エクスプレッション・ペダル と呼ばれ、
音量による演奏表現をつけるためのものです。
ストローク最大まで踏み込めば音量は最大となり、踏み込みを全部もどせば音量は最小となります。
このとき、音量は完全に消えるわけではありません。
ローランド VKシリーズなどのコンボ・オルガンでは、 EV-5 を使った場合でも、
ペダルを完全に戻したとき、オルガンの音色の場合、音は完全に消えずに残ります。(音が絞りきれません)
これは冒頭に述べたような伝統的なオルガンの仕様にのっとったもので、
オルガン演奏時にぺダルをコントロールする感覚をより自然にするための仕様です。
ご参考 :
- オルガン以外の音色(アザー・トーン)を選ぶと、ペダルを完全に戻したときに音は完全に消えます。
(音が絞りきれます)
- 伝統的なオルガンのエクスプレッション・ペダルは音量制御以外の機能を持っています。
それは音量を絞った時に、高音部と低音部を強調するような音質補正機能です。
すなわち、人間の耳は、音量が下がると高域と低域が聞きづらくなる特性があるため、
音量が下がる時に高域と低域をある程度維持することで、その特性を補正しています。(ラウドネス・コントロール)
伝統的なオルガンはこの効果を持っており、VK-8 などのローランド・オルガンも同様の機能を再現しています。