• No : 85978
  • 公開日時 : 2017/01/06 15:53
  • 更新日時 : 2017/01/06 16:00
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【 用語集 】ローランド製品で使われる用語について教えてください。

回答

【 ピアノ系 】

● スーパーナチュラル・ピアノ音源

ローランド最高峰のピアノ「V-Piano」(2009年3月発売)の技術と、好評を得ている「88鍵ステレオ・マルチサンプリング音源」の技術を融合して生まれた全く新しい音源

この音源は、従来のタッチの強弱に合わせて複数のサンプル波形を切り替える方式とは全く異なり、演奏者のタッチに最適な音を瞬時に合成して発音するので、切り替えによる段差が原理的に生じません。それゆえ、タッチによって思い通りの表現が可能となり、これまでになく極めてなめらかで自然な音色変化を実現できました。また、アコースティック・グランドピアノの打鍵した後に美しく伸び、変化しながら消えていく音色の変化にも着目。新音源ではこの自然な音の変化を再現することが可能になり、和音の美しい響き、音の消え際の美しい余韻も表現します。
もちろん、アコースティック・グランドピアノの88鍵を一鍵ずつ丁寧にサンプリングした定評のある「88鍵ステレオ・マルチサンプリング音源」をベースとしているので、一鍵一鍵で表情の異なるアコースティック・グランドピアノの美しい響きを再現しています。

スーパーナチュラル・ピアノ音源は、ローランド最高峰ピアノである「V-Piano」のテクノロジーと「88鍵ステレオ・マルチサンプリング音源」技術を融合して生まれた、全く新しい画期的な音源です。フルコンサート・グランドピアノの特性を徹底追求し、鍵盤ひとつひとつの鳴りや響きの違いまでも忠実に再現。さらに、新たに開発した発音方式により、弱く弾くとやわらかくまろやかな音、強く弾くと力強いきらびやかな音へと変化していく、ピアノの表現力の基本とも言える音色の変化も、アコースティックピアノ同様に自然で演奏者の思い通りの変化を実現。ppp(ピアニシシモ)からfff(フォルテシシモ)まで、さらに幅広くなったダイナミックレンジにより、繊細なタッチや高度な演奏テクニックにも豊かな表現力で応えます。また、美しく伸び、消えていく、ピアノ音ならではの自然な音の減衰もみごとに再現。すべてが調和して、従来のサンプリング音源では再現できなかったアコースティック・グランドピアノさながらの、なめらかで表情豊かな演奏をご堪能いただけます。

● スーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源

アコースティック・ピアノは、鍵盤を弾くとハンマーが弦を叩き、叩かれた弦の振動がフレーム、響板、キャビネット全体に伝わり、響きの豊かな音が広がります。新開発の「スーパーナチュラル・ピアノ・モデリング音源」は、このアコースティック・ピアノの発音プロセスを先進技術で再現。弦をはじめとするピアノを構成している各要素を仮想的に合成し、ピアノ音を一から再構築することで、あらかじめ録音した音を再現する従来のサンプリング音源では表現し得ない、複雑に干渉しあうピアノ本来の奥深いサウンドを生み出します。
88鍵全ての鍵盤において仮想的に弦を持つため、アコースティック・ピアノと同様に発音数の制限がなく、ダンパー・ペダルを多用しても余裕のある響きや表現を実現します。

● PHA-50 鍵盤

木材と樹脂とのハイブリッド構造により、アコースティック・ピアノの演奏感や風合いを追求しながら、反りやゆがみに強い鍵盤「PHA-50(プログレッシブ・ハンマー・アクション50鍵盤)」を新開発しました。
安定性と耐久性の高い樹脂製センターフレームを鍵盤の先端から奥まで1本通すことで、押鍵する力がしっかりと伝わり繊細なタッチ・コントロールを可能にします。さらにセンターフレームを木材で挟みこむことで剛性を高めると同時に、押鍵時の風合いや、自然であたたかみのあるタッチを実現しています。これら2つの素材の組み合わせにより、密度感や打鍵感が上がり、演奏性と耐久性を兼ね備えたデジタルピアノに最適な鍵盤となっています。また、新機構「スタビライズ・ピン」で、鍵盤の横揺れを抑制し、安定したタッチや、弾き心地を実現しています。

● アコースティック・プロジェクション

ピアノ独特の立体的で動きのある音場空間を生み出す「アコースティック・プロジェクション」は各スピーカーから放たれた、成分の異なる音を空間で合成し、奥行きと広がりのある豊かな響きで演奏者を包み込みます。今回、スピーカーの数/配置/性能/役割をすべて見直し、最上位機種『LX-17』には家庭用デジタルピアノでは業界初となる8つのスピーカーを搭載しました。また、『LX-7』、『HP605』には 6つのスピーカーを搭載し臨場感のある音場を実現しました。
さらに、ヘッドホンでも立体的な音場を実現できる「ヘッドホン・3D・アンビエンス」機能も用意しました。『LX-17』、『LX-7』にはヘッドホン・アンプにも高音質な部品を使用しており、さらに高音質での演奏が可能です。

● プログレッシブ・ダンパー・アクション・ペダル

ペダルの踏み込みの深さによる減衰の違いまで忠実に再現。ハーフペダルによる微妙な余韻の響きも自在にコントロール可能です。


【 シンセ系 】

● ACB(Analog Circuit Behavior)

アナログ時代の電子楽器を正確に再現するため、アナログ回路の振る舞いを、ひとつひとつのパーツから回路構成のレベルまでモデリングする、まったく新しい技術「ACB (Analog Circuit Behavior)」を開発。従来のモデリング手法とは大きく異なり、オリジナル製品の設計図からアナログ・パーツの特性を丁寧に再現しています。解析作業には、30年前にオリジナル製品の設計開発に携わったエンジニアも参加。解析したパーツをオリジナル製品の電子回路と同様に組み合わせることで、オリジナル機の詳細な個性を余すところなく再現。アナログ時代の電子楽器を最高の状態で蘇らせています。さらに、ACBテクノロジーは、アナログ固有の特性を精密にエミュレートするだけでなく、膨大な演算パワーを誇る最新DSPにより、30年前の電子楽器では物理的に不可能だった次世代のパフォーマンス性能も実現。当時のエンジニアが夢見た高次元のサウンド表現が可能になりました。

【 ドラム系 】

● Prismatic Sound Modeling

アコースティック・ドラムは、ひとつの打撃でヘッドやリムの打撃音、シェルが共鳴する音、スネアの響き線(スナッピー)が響く音、そして空間の響きそのものであるアンビエンスといった要素が相互作用して複雑に混ざり合うことで、豊かなサウンドが生み出されています。
TD-50は、このアコースティック・ドラム特有の発音原理を再現するエンジンを内蔵。パッドから入力された打撃情報をもとに、とても生々しく表現力豊かなサウンドを生み出します。
まさにアコースティック・ドラム特有の発音原理をTD-50の内部に仮想的につくりあげているのが「Prismatic Sound Modeling Technology」です。

【 独自技術用語 】

● Acoustic Projection

V-Piano Grandに搭載された専用の立体音響サウンド・システムをベースに、Super NATURAL Piano音源に応用された音場生成技術。スピーカーの存在を感じさせない自然でピアノ独特の動きのある立体的な音場空間をつくり出す。

● Behavior Modeling Technology

楽器そのもののモデリングに加え、奏法における各楽器独特の振る舞いをもモデリングすることにより、リアルタイムに自然で豊かな表現を可能にする音源技術。JUPITER -80ではBehavior Modeling Technologyによってつくり出されるSuper NATURAL音色を搭載し、従来にない自然で豊かな演奏表現を実現。

● COSM(Composite Object Sound Modeling)

様々なモデリング技術を有機的に組み合わせた技術。アンプ/スピーカー/マイクロフォン/ピックアップ/ディストーション/ワウ/コンプレッサー/アコースティック・シミュレーターなど、様々なモデリング技術の総称。V - Synthでは、既存シンセのフィルタ一部に相当する音づくりのためのコンポーネン卜として、COSMプロセッシングを採用。またギター・モデリングでは、ギターのボディ構造や形状を細部から精密にモデリングしてデジタルで再現。

● DigiScore

本体内蔵曲や市販のSMFミュージックデータ、さらに自分で弾いて録音した演奏等も液晶画面に楽譜で表示する、先進の譜面表示機能。歌詞データ入りのミュージックデータなら、歌詞を表示して弾き語りやカラオケを楽しむことが可能。

● FFP(Feed Forward Processing)

あらかじめアンプ・システム各部の動作や振る舞いについて解析した結果に基づいて、入力された信号に対して、アンプ、スピーカ一、キャビネットが、それぞれ最大の性能を発揮するようにシステムを制御するローランド独自の技術。ベース・アンプに搭載。

● FPT(Fast Processing Technology)

高速かつ低ジッターでのMIDIの送受信を実現する方式。MIDIデータの密度にかかわらず、送受信の速度は常に高速になるため、レイテンシーのばらつきの少ない安定動作が得られる。

● GSフォーマット

ローランドの音源に関する共通仕様。GM1の仕様に加え、音色数の拡張だけでなく、音色のエディット、エフェクト(リバーブやコーラス)等の機能を細かく規定することにより、互換性をさらに高めている。また、将来のニーズにも柔軟に対応できるよう、新しい音色の追加や、機能の拡張性についても十分考慮されている。

● PDA Pedal(Progressive Damper Action Pedal)

踏み始めは軽く、ダンパーが動き出すポイントで重くなるアコースティック・ピアノのダンパー・ペダル特有の感触を再現。また、ペダルを踏み込んだ深さの違いによる音の減衰量の変化や、微妙なペダル操作による音色変化も忠実に表現可能。

● PHA Keyboard(Progressive Hammer-Action Keyboard)

バネを使わず、ハンマーの重さだけで動く鍵盤。低音域はズッシリと、高音域に向かうほど軽やかな弾き心地。そっと弾くと軽いタッチで柔らかなピアニシモ、強く弾くとしっかりとした手応えのフォルテシモが出せる等、幅広い表現力を備える。

● R-DAC(Roland Digital Audio Coding)

ローランド独自のオーディオ圧縮技術。ADPCM等の旧来の圧縮技術よりも格段に高音質で、MP3等と比較すると圧縮率では劣る(3 - 4倍)ものの、圧縮/伸張の処理が軽く、ランダム・アクセスや編集に向くといった特徴がある。V Sシリーズ、B Rシリーズ、S Pシリーズ、A Rシリーズなどに採用。

● REAC(Roland Ethernet Audio Communication)

CAT5ケーブルにより、多チャンネル・デジタル・オーディオを低レイテンシーで、安全に伝送できるシステム。ローランド独自開発のイーサネット伝送技術。デジタル・スネークやVミキサー等、業務用音響機器に採用されている。

● RSS(Roland Sound Space)

RSSは立体音響を実現する、ローランド独自の信号処理技術。音を任意の3次元の位置に定位できる。RSS、RSS -10、RSS -303などの専用機の他、レコーダーやシンセサイザーなどの内蔵工フェクターにも使われている。

● SuperNATURAL

Behavior Modeling Technology により、従来の音源では難易度の高かった「自然で豊かな表現」を可能にしたローランド独自の音色群。

 

● SuperNATURAL Piano
V-Pianoのテクノロジーと、88鍵ステレオ・マルチサンプリング音源技術との融合により生まれたピアノ音源。弱く弾くとやわらかくまろやかな音、強く弾くと力強いきらびやかな音へと変化していく音色の変化も、アコースティック・ピアノ同様の無段階で自然な変化も実現。また、美しく伸び、そして消えていく、ピアノ音ならではの自然な音の減衰も再現し、従来のサンプリング音源では再現できなかったアコースティック・グランドピアノさながらの、なめらかで表情豊かな演奏を可能にした。

● V-LlNK

電子楽器の演奏や操作によって、音だけでなく映像も制御し、演奏者自身が楽器演奏に連動した映像の切り替えや映像の再生スピード、色や形のコントロールを実現する機能。このV-LINKを基に、すべてのメーカーが使えるように汎用性を高めた仕様がMIDI Visual Control(MVC)であり、2011年1月、AMEI(社団法人音楽電子事業協会)とMMA(MIDI Manufacturers Association Inc.)によってMIDI規格の推奨仕様として制定された。

● VariPhrase

オーディオ・フレーズを構成する3要素「ピッチ(音程)」、「タイム(時間、速さ)」、「フォルマント(音質)」を独立してリアルタイムにコントロールするローランド独自の信号処理技術。 VP-9000、V-Synth、Vocal Designer(SONAR)、R-MIXなどに掲載。

● V-Remastering

オーディオ信号に対して周波数ごとに「レベル」や「定位」といった音楽的情報を算出し、各音色のバランスから残響の再構成まで、トータルにコントロールするローランド独自の信号処理技術。

● Virtual Tone Wheel

歯車を使ったドローバ一方式のオルガン・サウンドを、忠実に再現した音源方式。ボイス・アサイナーを使用したシンセサイザーと比べ、発音が高速で、全鍵発音が可能。VK-7/77、VK-8/88/8Mの他、ミュージック・アトリ工にも搭載されている。